【目次】
挨拶とはじめに
こんばんは、流手と申します。
なかなかの猛暑と外出の難しい時期でありますので、室内で絵本を読む機会も増えてきたことと思います。我が家でも一歳の息子はともかく、まもなく三歳となる娘は「これ読んで」と何度も何度も同じ本を手に持ってきます。私もかつて同じようにしていたようなので、もはや世代を超えてどこの家庭でも共通する光景なのかもしれませんね。
そこで、折角ですので、読んだ本達の簡単な感想でも書いてみようと思います。
今回紹介も兼ねて書かせてもらうのは、『びゅんびゅんごまがまわったら』という絵本です。とある小学校のお話ですので、我々大人も一度当時を懐かしんでみるのも良いかもしれませんね。
びゅんびゅんごまがまわったら
あらすじ
かえでしょうがっこうには、うんどうばにつづくあそびばがあります。
みんなこのあそびばがだいすきでした。
3がっきになって、しものふかいあさのことです。
「こんなはし、けんけんだってわたれらあ」
「あっ!」
こうすけは、すべってほねをおってしまいした。
いっぽんばしはしもでこおっていたのです。
あそびばには、そのときから大きなかぎがかけられて、はいることもできません。
「まわせるようになったら、たのみもきこうじゃあないか。」
こうすけ達は校長先生と約束を交わし、遊び場の解放を目指してびゅんびゅんごまの練習を始めるのでした。ところが校長先生ときたらあまのじゃくで……?
概要
作者
絵
発行
株式会社 童心社
第一刷発行
1982年7月20日
感想
ふと、懐かしいなと思い手に取った絵本でした。確か『びゅんびゅんごま』を触ったのは小学生の時であったような気がします。名前は『ぶんぶんごま』と呼んでいたかもしれません。当時は給食の時に出てくる牛乳ビンの蓋である紙で出来た丸い部分に糸か毛糸かを通して作ったことを覚えています。
ちなみに、この作中では四つ同時に回す場面が出てくるのですが、流石にそこまではやらなかったかなぁ。……いえ、確実にやっていない。
さて、本の感想です。
まず好感触であったのが校長先生です。自分のことを『あまのじゃく』と形容する校長先生ですが、そこらにいるただの意地悪おじさんであるというわけではないのですね。
日々、悪戦苦闘する子供達の様子を人知れずそっと覗いてみたり、子供達からの贈り物にしっかりと感謝の気持ちを表したりと、不器用ながらも子供達とのふれあいを楽しんでいる表現が多々盛り込まれており、後味の悪さが全くなかったところが子供達にも読ませやすいと感じました。最後にはすっかりと子供達に宿題を出されてしまうという和やかな物語の展開も笑えてよいです。
次にこうすけと共に『あそびば』の解放を目指す仲間達の考え方についてのこと。彼らは途中で『びゅんびゅんごま』を回すことを諦めてしまいますが、決してすべてを投げ出したわけではなく彼らなりのやり方で『あそびば』を取り戻そうとしていたのです。こんな遊び方もあるんだよ、ということを主張するように。
出来ないからと投げ出すだけではなく、それならばこうしてやろう、とそれぞれが工夫をしている点は素晴らしいといえるのではないでしょうか。
読み終わる頃には楽しい気持ちになっていること間違いなしの一冊でしょう。
紹介
気になる方は一度こちらからどうぞ。